時間通りに乗車でき、時間通りに目的地に辿り着ける。 特に日本は時間厳守でシビアに運行ダイヤが管理されていますね。
何不自由なくいつでも電車を利用できる背景には、列車の動きが止まった終電後に駅や線路のメンテナンスを行っている「鉄道工事」のプロフェッショナルたちがいます。
弊社、株式会社小滝建設工業は、主に神奈川県内にて
- ・東海道線沿線
- ・京浜東北線沿線
- ・南武線沿線
この記事では、日常知る機会が少ない鉄道工事について掘り下げ、鉄道工事にはどんな仕事があるのか、そしてどのように人々の生活を支えているのかを見ていきたいと思います。
夜勤明けの社長を社内で捕まえて、色々と質問してみました。
目次
鉄道工事って、どんなことをやっているの?
小滝:あの、僕夜勤明けそのままなんですけど…、映像も撮るんですね…。 取材班:はいっ!社長、鉄道工事って世間の人に全然知られていないと思います!
ダイレクトに人々の生活に影響する仕事であることは認識されていると思うのですが、もっとこういった職業もあるということを世の中に伝えたいので、今日は鉄道工事の基本から教えていただきたいのです。
小滝:鉄道工事とは…ですか。
鉄道好きで知っている方はいるかもしれませんが、世間一般的には聞き慣れない言葉ですよね。
電車が安全に安定して走れるように、皆さんが寝静まった後に夜な夜な行っている鉄道構造物やメンテナンス工事です。 弊社は土木工事をメインとした建設会社として、線路(レール)以外は、全て対応しています。
線路にダイレクトに関わる作業は、メンテンナンスを行う軌道工事会社が対応し、それ以外の鉄道施設内における構造物には全て関与しています。
実際に行っている工事は、代表的なものを挙げると
- ◇橋梁やトンネルの改良・補修工事
- ◇駅構内のバリアフリー化
- ◇エレベーターやエスカレーターの設置
- ◇耐震補強工事
- ◇災害復旧
- ・レールを外す
- ・古い橋を撤去する
- ・改良された新しい橋を架ける
- ・レールを戻す
取材班:「縁の下の力持ち」という表現が似合いますね! 小滝:そうですね。
当たり前のように利用できる重要な交通インフラを、人が気が付かないところで支える仕事です。
普段私があまり表に出たがらないのは、そういった職業の特性が関係しているかもしれません。
規模の大きなプロジェクトに限らず、階段の手すりを設置することも弊社の重要な仕事ですし、また日中には線路脇のフェンスの補修や新設を行っていたりします。
鉄道工事は常にどこかで実施されている
取材班:鉄道工事って、ずっと需要があり続ける職業というイメージです。小滝:改修工事は常に動いていて、私たちが関わっている鉄道会社様では震災以降、各地で耐震補強工事が行われています。
一番列車が稼働しているエリアを中心として100km圏内から着手していますが、万が一地震があった際に利用者の方々に怪我をさせない、輸送障害を発生させないように補強しているんですね。
それから、電車を待つ人々の安全を確保する「ホームドア」の設置も、優先度が高い駅から対応が進んでいます。
2001年に発生した悲痛な転落事故、新大久保駅乗客転落事故を受け、列車の速度が早く本数が多い東京都内の主要な駅にはほとんど設置されたのではないでしょうか。 また、軌道工事が行うレールの検査・メンテナンスも常に実施されています。
路線によっても異なりますが、特にカーブの箇所は片側の車輪に負荷がかかりやすいため、それだけレールが削れるのも早いんですよ。
年中色々な場所でレールの交換がなされています。
工事は終電から始発までの間にやっているため、皆さんが知らずしらずの間に安全が保たれているんですよ。
鉄道工事は短時間でキメる!作業が始まると、職人の顔色が変わる。
取材班:終電後の作業というのは、どれほどの作業時間なのですか?小滝:短いと2時間半ほどです。
私たちが関与している路線で、終電から始発までが一番短いのは京浜東北線。25:30頃の最終で、始発が4:10くらい。
貨物線だと作業時間が1時間もないケースもありますし、起電(列車を走らせる為の電気)を止めて作業するような時には、作業は40分以内!との条件もあったりします。 この仕事は本当に段取り8分で、いかに準備できたかで工事の質が決まります。
チームワークが重視され、作業が始まると職人の顔色がガラッと変わりますよ。
普段は和気あいあいとしていても、ONとOFFはハッキリしています。
なぜなら、線路の上空の起電線には1500vの電車線が走っていて、線路周辺には特高ケーブル(特高圧引通線)という様々な機器に接続される高圧線があります。
あまり怖がらせるようなことは言いたくないのですが、そういった危険が伴う環境で作業をするので、現場でのルールは必ず遵守します。愚直に守って、仕事もきっちり納めます。
これは自分を守る為でもあり、他人の安全を守る行為でもあります。
判断ミスが許されない、最も緊迫する工事とは。
取材班:そういった環境で仕事をしている社長が、中でも最も緊張する工事とはどんな作業なのでしょうか。小滝:一番緊張するのは、線路の下を掘削する工事とかですね。
線路の下に電気や通信のケーブルを這わせる、管路を通す、埋設物を設置する際に発生します。
掘削して埋設し、また列車が通れるようにレールを戻す。
作業時間は1時間20分。
軌道工事と合同で実施するのですが、いかんせん現場はイレギュラーが付きもので、掘ってみたら予定と違う物が埋まっていた!なんてことが起こり得るのです。
工事がスタートして、「ダメだ!」と思えば、せっかく掘ったとしても、埋め戻さなければならない。
その重要な判断も迫られるので、私にとっては一番緊張する工事ですね。 取材班:時に、苦渋の決断を差し迫られる瞬間があるのですね。
小滝:手に汗を握りますよ。
始発の時間には電車が動き出すわけですから、自分の判断が全てに影響すると思うと胃が縮まりますね。
でも、もし他の社員に聞いたら全く違う答えが返ってくるかもしれません。
社長が現場に来るときが一番緊張します!とかね(笑)
今のは冗談ですが、ここ最近は社員皆の頑張りによって、徐々に私が現場に出なくても無事に作業を納め、業務が回るようになってきました。
それでも危険度の高い工事は、どうしても精神的負担がかかるため、私が自ら担当している工事もあります。
災害時にも駆けつける、鉄道工事の人々。
取材班:鉄道工事は、災害とも密接に関係していますよね。小滝:最近では、大雨による土砂崩れがありました。ニュースでご覧になった人も多いのではないでしょうか。
災害時は弊社も現場に駆けつけました。
大震災の時にも、家族の安否を確認した後現場に直行し、橋脚などの不具合の修繕に取り掛かりました。
災害や事故が発生すると、いち早く状況を確認し、列車が通常のダイヤで走行できる状態に復旧作業を行います。
私たちの仕事はインフラを支えるという重要な使命があるんです。
台風や大雪の時にも他社と協力し、線路上に倒木や飛来物がないかなど、担当エリアに分かれパトロールしています。
鉄道工事の仕事は、責任も大きいが、給料も高い。
取材班:ここまで話を聞いて、本当に頭が上がりません。少し目線を変えて、働く人の立場で聞きたいのは、給料のことです。
小滝:鉄道工事は、他の建設業の仕事と比較すると責任も大きく、勤務時間も夜勤が多かったりするためその分給料は高いと思います。昔から出稼ぎに来る人が多かったくらいです。
大変な仕事もあるのですが、給料で還元されるので充実感を感じてもらえるはずです。 新卒者や、未経験者も積極的に採用をしていて、しっかり先輩が教育・指導してくれます。
例えば学生時代から深夜帯のアルバイトをしていて、夜勤になれている方などにとっては、就職先候補として条件も良いのではないかと考えています。
また地方出身の方にとっても、弊社は社員寮も提供していますので、新生活もスタートしやすい環境が整っていると思います。
ちょっと美しい話になってしまうかもしれませんが、やっぱり社長の立場としては、日頃頑張ってくれている社員の皆が、家を買ったり、子供が学校を卒業したり、そういった大きなライフイベントを安心して迎えられているということに嬉しさを感じます。
社屋も新しく建設したばかりで、広々快適な環境で働いてもらえるようになっているので、関東で仕事を探している人は一度見学に来てもらいたいですね。
鉄道工事のやりがいって、正直どこで感じますか?
取材班:求職者の視点でもう一つ伺いたいのですが、社長はどんな瞬間にこの仕事のやりがいを感じますか?「やりがい」って言葉を皆さん簡単に口にするのですが、実際にやりがいを感じるのって意外とハードルが高いと思っています。
小滝:そうですねぇ…。
これは父の言葉なのですが、昔から「信用されるより信頼されろ」と言われてきました。
利用されるのではなく、人から頼られる存在になりなさいと。
当時は単語の違いもよくわからずに、同じでしょう?という程度にしか思っていませんでしたが、今になってやっと理解できるようになってきました。
信頼されているというのは、「この人に頼めばこの問題をなんとか解決してくれるだろう」と、頼って相談してくれている状態です。
そのような関係性の中でお仕事をいただけると、目の前のお客様のためになんとかしたい!と、自分にも良いプレッシャ―となり、業務の完遂後に「無事故でよく終わらせてくれたね」と褒めていただけることが、そのまま満足感・充実感となって苦労を吹き飛ばしてくれます。 私たちの仕事では、大変な業務を事故なく無事に遂行させる「やりきった」という達成感もありますが、それ以上に日頃からご厚意をいただいているお客様との繋がりの中で、ありがとうと言っていただけることのほうがモチベーションに直結している感覚があります。
取材班:お世話になっている人から頼ってもらえると腕が鳴るというか、出来る限りのことをしてあげたくなってしまいますよね!
小滝:私も難易度の高い工事や条件の厳しい現場で、どうしたら安全にお客様の希望を叶えられるのかを考えるのが好きなんです。
それこそ若い頃は四六時中、寝る寸前までそんなことを考えていましたし、夢の中でも仕事をしていたことが多々ありました。(笑)
弊社は祖父の時代に鍛冶工として始まった会社なのですが、父も当たり前のように鍛冶の域を越えて多様な工事に対応してしまう人で。誰かの力になってあげたいという想いが強い人だったのでしょうね。
今後はより一層人材育成に力を注ぎ、「小滝がいれば大丈夫だろう」というお客様からの信頼を、「小滝建設工業に頼めばなんとかしてくれる」という会社の信頼へと変えていくことが、私の最大の使命であると感じています。
取材班:きっと自分が手掛けた仕事の実績を積み重ねることで、少しずつ自信が形成され、人から頼りにしてもらえることがそのまま「やりがい」となっていくのですね!
小滝建設工業は、採用強化中です!
今回の社長へのインタビューを通じて、普段あまり知ることのできない「鉄道工事」という仕事について、少しでも理解を深めていただくキッカケとなっていましたら幸いです。弊社、小滝建設工業では採用活動を強化しております。
何も資格を持っていなくても、未経験からスタートいただけます。
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