鉄道、電車は、交通手段として私たちの生活から切り離せないものです。
鉄道工事は夜勤が多い仕事。線路付近の工事は終電が過ぎた後、深夜に作業が始まり、始発前には作業が終了しています。
その現場で、管理者や工事関係者が夜な夜な大活躍している姿は、なかなか見られる機会もありません!
今回は特別に、ブログ編集部が、弊社「小滝建設工業」が手掛ける鉄道工事夜勤の現場に同行!密着取材のチャンスを得ました!
初の夜勤取材に、始まる前は少々頭がぼーっとしていたものの、現地の光景と、その場にいる工事担当者の方々の手際の良さに圧倒され、足を踏み入れた瞬間に頭が冴え渡りました!
その様子を余すところなくレポートしていきたいと思います!!
【今回同行した、鉄道工事夜勤の現場】
密着取材したのは、工事管理者の富岡が担当する「省力化軌道排水設備新設工事」の現場です。
省力化軌道排水設備新設工事とは?(しっかり説明します!)
日頃、安全に電車が走ることができるのは、もちろん線路がメンテナンスされているからです。
座っていてもうたた寝してしまうほどに安定した乗り心地を創り出しているのは、線路のレールを始め、そのレールを支えるためびっしりと敷かれた砕石も、大きな役割を果たしています。
砕石が安定しているから、レールも安定するわけですね。
しかし、砕石は列車が通過する振動や、雨に打たれることでどんどんと小さくなっていき、最後には砂(泥)になっていきます。
すると、その経年劣化により石が小さく削れていった箇所においては、砕石との間に隙間が無くなり、路盤土を乱し枕木を沈めてしまうため、その結果、レールを支える力が弱くなり電車の乗り心地を悪化させてしまうる原因となってしまいます。
そのため!!
線路の下に敷かれている砕石は、四六時中入れ替え作業が行われていることをご存知でしょうか?
ただし!!
日本の働き盛り世代の状況(就労者数や年齢層)を考えてみてください。
総人口の推移や、年々上がっていく就労者の年齢を考慮すると、将来は手間の大きなメンテナンスはできるだけ少なくできるよう、今のうちから取り組んでいく必要があるのです。
線路上に降る雨水などの排水効率を向上させていくことも、まさしく線路を長期的に安定した状態で、安全に保つには、とても重要なことなのです。
それには砕石を掘り起こし、線路に沿って、地面に排水管を通していく工事が必要です。 終電後に行われるその工事が「省力化軌道排水設備新設工事」と呼ばれています!
【鉄道工事の夜勤を密着レポート!】まずは入場の受付け、作業開始の手続き
それではリポーターが実際に見てきた、省力化軌道排水設備新設工事の様子をお伝えしたいと思います。
受付は専用のタブレットで!
鉄道工事に着手する前には、必ず線路閉鎖手続きといった入場の受付を行います。
専用のタブレット端末を使って、その日に誰がどこから入場するのかを記録します。
以前の記事
「入社後の研修ではどんなことを学ぶの??」
https://www.k-kotaki.co.jp/blog/news/633
でも紹介しましたが、時間に制限もありトラブルを起こせない鉄道工事では、必ず守らなければならないルールがいくつもあります。
その中の一つが入退場時の点呼です。
入退出時には必ず全員で点呼をおこない、作業員全員が完全に線路内から離れたことを確認することを徹底しています。
その管理をシステム上でも行い、確実に入退場を把握できるようにしているのです。
そして専用の端末では、どの電車が今どこにいるのかが全て管理されています。
鉄道工事着工時には、
「もう電車は来ませんね?」ということを確認し、
「この区間をこれから私たちが作業に入ります」と知らせる手続きを取っています。
その区間というのは作業内容によって変わるものの、多くのケースでは駅と駅の間、つまり1駅の区間で行われるそうです。
富岡:「例えば、今日やっている作業は、ここから500mほど離れた場所に工事用の踏み切りがあります。その踏切から工事用車両などを入れて、ここまで500m移動して作業をしています。
一方で、作業場所付近に踏切が全くないという箇所もあります。
去年行っていた工事では工事用踏切から約2km離れたところに作業現場がありました。
2kmにもなると1駅の区間を超えることもあるので、2駅分の区間で電車の侵入を止める手続きを行わなければならないということになるのです!」
間違っても電車が来ないように、レールを通じて合図を送る
入場手続きが済んだら、次はレールを通じて作業中であるという合図を送ります。
専用の機器をレールに設置し、左右のレールに電気が通じている状態を創り出します。
これは、電車の仕組みを利用した安全対策です。
電車は走行中、左右のレールに電気を通していて、それによってどの列車がどこにいるかというデータとして収集し共有しています。
この軌道回路短絡器という機械を設置すると、それが擬似的に再現できるというわけです。
「ここに電車がある」という状態を再現することで、他の車両が入って来ることが無いよう安全に作業ができる環境をつくっています。
【鉄道工事の夜勤を密着レポート!】2時間半の作業の手際の良さ!
では具体的な工事の様子についてです!
初の夜勤の現場は意外と明るい雰囲気だった!?
この日は、現場の富岡さんに加え、小滝社長にも付き添ってもらい、現地を見学しました。
現場に到着するまでは、これまで聞いていた鉄道工事の「時間との戦い!」というイメージが強く、どんなに緊迫した、ピリピリとした雰囲気なのだろうと、実は恐る恐る向かっていたのです。(笑)
絶対に作業の邪魔になるようなことだけはしないように…(汗)と、緊張していましたが、現場に到着してみると予想以上に会話もあり、珍しく見学者がいることもあってか時折冗談が飛ぶような、明るい雰囲気に少々驚きました!
小滝:「今日は職人さんたちが工事に慣れたベテランの人だから、全体がスムーズに進んでみんな安心して作業を見ていられたんだと思いますよ。
これが作業に慣れていない職人さんだったりすると、次第に雰囲気はピリついていきます。(笑)」
という小滝社長の言葉に納得。
本当に全ての作業が手際がよく、みるみるうちに掘削が終わり、U字側溝、排水管の設置と、プロセスが進行していました。
冗談も飛び交い笑顔が垣間見れる中でも、作業をしている人たちのスピード感は伝わってくるんです。
工具を交換し手に取る瞬間や、材料の設置の様子を見ていると一瞬一瞬に無駄がないんです。
その様子からはやはり、鉄道工事が「時間との戦い」であることが伺えました!!
と同時に、こんな風に深夜に作業している人たちがいて、自分たちの安全が守られているのか…と、感謝と感慨深さから作業から目が離せなくなってしまいました。
ちなみに、この現場は首都圏でも珍しい程、路線が通過する場所で、何線も並列されている場所でしたが、当然終電後ではありますが作業者、工事を担当する人が入れる区域は決められており、関係の無い線路の方に立ち入ることは厳禁!なのだそうです。
(尚、通常の電車は終電後には走っていなくても、荷物を運ぶ貨物列車などは走っていることがあるそうです。そのため、終電後であっても決められたルールを徹底して遵守し、一切気を抜かずに安全第一で作業をしています。)
しかし、夜勤の真っ暗な中に工事用の照明が灯された独特なこの光景は冒険心がくすぐられるようななんとも言えない雰囲気でした。
富岡:「実は、鉄道会社さんではこうした日頃の様子をもっと世間の人々に知ってもらい、鉄道工事への理解を深めてもらったり、鉄道会社さんを始め関連業種の人手不足の解消にもなればという意味も込めて、今日のような工事の見学会などを開催しているんですよ!
我々にとっては当たり前の風景なんですが、その見学会は告知するとすぐにチケットが完売するほど人気があるそうです!やっぱりニッチな分野が好きな人は結構いるんですね!」
見学会に申し込む人の気持は少しわかる気がしました。(笑)
鉄道工事に興味のある方はぜひ小滝建設工業までご連絡ください!(笑)
いつでも大歓迎です!
掘削作業の様子
私が到着したときには、バックホウ(ショベルカー)での砕石の除去、その下の土の掘削作業が進んでいました。
左右の線路の間を掘っています。ここに排水用の設備が作られていくわけですね。
袋に砕石を集め、次々に運び出していきます。
(職人さんたちの後ろ姿がカッコいい!)
富岡さんを探してキョロキョロしているうちにあっという間に掘り起こされていて、気がついたら人が穴の中に降り立ち作業は次のステップに入っていました。
U字溝の設置、排水管を通す作業の様子
これはまさに排水管を通す穴を専用のドリルで開け始めるところの様子です!
こんなシーンが見られるのはかなり貴重なのではないでしょうか!(笑)
掘り進める中で状況に応じて、臨機応変に必要な工具をパッパと手に取り、スピーディーに管を通す穴が地下に作られていきました。プロフェッショナルの仕事です!
少々わかりにくいかもしれませんが、作っている排水設備の完成したところも見せてもらう事ができました。
集水桝の中に管が通っているのが見えます。
この設備が、線路に沿って、線路が続く限りずーっと作られていっているということです。
2時間半の作業で作られる排水設備は、「6m」!
ちなみにこの省力化軌道排水設備新設工事は、2時間半の1日の作業時間で設置できる長さは、およそ6メートルだそうです!!
設置していくU字溝は、一基が2mあり、それを3つ設置するのが1日の限界ということです。
あれ…、線路は…何メートル…!?何km続いていくのでしょうか。
皆が寝静まっている間に、それだけ地道に日々作られているということですね!!
何ヶ月も掛けて、または年をまたいで、1駅の区間の排水設備がやっと繋がるということです!
6mの排水設備の設置に、何人の人が動いているかを考えると、そこには巨額の投資が必要になることは簡単にわかります。それだけ私たちのインフラと呼ばれる交通手段は守られているということですね。
その一方で、違う角度から考えると、やはり鉄道工事の仕事は安定した仕事であるということがわかります。一つ一つの工事の品質は非常に高い基準で保たれているでしょうし、それに応じて作業者、職人さんたちの技術レベルも求められるはずですが、夜勤も多く、安定して仕事が続いて働く人々もしっかり稼げる業界なんだということを確信しました!
小滝建設工業が担当するのは、鉄道土木工事の管理の仕事!
夜勤に抵抗がなく、今回のこのレポートなどを見て興味を持った方は鉄道工事は長い目で見てもオススメの仕事と言えます!
建設業という枠で考えると、一言に土木工事といっても「土木」の分野は様々で幅広いわけですが、その中でも安定して稼げるのが鉄道の土木工事なのだと思います。
さらに小滝建設工業は、様々な手当を用意していたり、社員を労いきれいな社屋を新築、空調服など現場で働く人を労るための備品を積極的に支給するなど、非常に社員の働き方を考えている会社です。
小滝建設工業では、現場の「実際の作業」も覚えてもらいながら、将来は「現場の管理者」になっていくことを目指した社員の育成をしています。
その管理者として大活躍の富岡にも、現地でインタビューしてきました。
【鉄道工事の夜勤を密着レポート!】鉄道はメンテナンスフリーが進んでいる!
以前からお話だけは伺っていた「省力化軌道排水設備新設工事」を間近で見られて、工事の様子がよくわかりました!これは重要な工事ですね!
富岡:鉄道工事の業界も、他の職業と同じように人手不足は深刻な問題ですから、そのため鉄道整備においてもメンテナンスフリーが推進されていて、その一環として省力化軌道排水設備新設工事が行われています。
省力化軌道排水設備新設工事は、電車の快適な乗り心地を維持するだけでなく、レールを長持ちさせることにも繋がっています。
私たちが担当しているのは鉄道工事の土木の部分で、レールそのものの整備というのは軌道工という専門の人たちが行うのですが、レールも電車の走行で消耗し、上部が削れ形が変わっていきますので、正しい形状に戻すために少しずつ削ったり、そういったメンテナンスがなされているんですよ。
各所に点検・メンテナンスが求められる、砕石・枕木・レールという構造の「線路」も、未来に向けて改善のための研究が進んでいるようです。
富岡さんの今日の仕事を簡単に教えて下さい!
富岡:今日の日は、0時に作業員と現場に集合して、私主導で点呼を行いました。
その後、0時半頃に終電が過ぎてから、先程お見せしたような入場など各手続きをします。
作業場所に着いたのが0時50分です。
安全確認後に一連の作業がスタートし、4時までには「作業完了手続き」を、端末上で行う必要があります。
今日のこの現場は、3時半くらいまでに全員線路外退出となり、その後私と担当者が完了手続きをし、終了です!
書類などのデスクワークもあると思いますが、今日、その後は、オフィスに戻るのですか?
富岡:いや、今日は終わったら自宅に帰りますよ!
日勤の業務の場合は、現場から事務所に戻ってデスクワークをすることもありますが、夜勤の時は基本的には直帰ですね。
夜勤の日の1日のサイクルは、8時から17時まで働いて、その後仮眠を取って、夜の集合時間に間に合うように家を出る、という流れです。
やはり夜勤と言うと、カラダのことを心配されることも多いのですが、もちろん慣れはあるものの、しんどいということはないんですよ!休息はきちんと取れていますから問題ありません。
また、一般的な仕事と生活リズムは違いますが、当然ながら会社は労働基準法に沿って管理してくれていますので!
安心しました!!
今日は本当に皆さんのカッコいい姿と、貴重なシーンを拝見できて感激しました!ありがとうございました!
▽富岡さんの人柄や仕事をもっと知りたい方はこちらもチェック▽
https://www.k-kotaki.co.jp/blog/news/209
いかがでしたでしょうか!
鉄道工事。なかなか想像しにくい職業かもしれませんが、今回の密着取材で少し理解が深まるような内容はお伝えできたのではないでしょうか!
何より、そうして人々に知ってもらうチャンスが少ないこの仕事で、先輩たちが活躍している姿をお届けできたことが嬉しいです!
毎日のように利用している電車も、こうしたメンテナンスがあってこそですね!
弊社、小滝建設工業では、社員の採用を随時行っています。
新卒、中途、問わず歓迎しております。社員寮もあり、地方から来る方にとっても安心です!
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「鉄道工事って面白そう!」
という方は、ぜひお気軽に小滝建設工業までお問合せください!
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